Blood Moon Rock Festival in KITAKAMI(最終452位、ratio:1683)
どうも、ご無沙汰しております。miniです。
シーズン9で初めての構築記事を作成しました。後から見返したり、他の方の構築記事と比べると、とてもpoorな記事だなと反省しましたが、多くの方に読んでもらえたようで、暖かいコメントもいただけました。自身にとっても、構築記事執筆を通して、キタカミプロローグ参加前の準備は確実に質が向上したと感じました。
キタカミプロローグは所謂、制限地方ルールですので、今後も同じ構築を使う機会はないかと思われますが、構築作成の経緯など勉強になったことも多いので記事に残したいと思います。今回もお付き合いいただければ幸いです。
構築の経緯
レギュDではスタン構築を使っておりまして、キタカミプロローグでもスタンのような構築を作りたいなと始めは思っていました。しかし、スタンでは中速高耐久のポケモンを並べるため、等倍のダメージなら2ターン以上耐えられてかつ範囲攻撃が可能な個体が複数必要と考えます。キタカミ図鑑内では、そのような個体同士でタイプ補完をしようとすると、種族値が足りず、サイクル戦ではダメージレースで勝てないと考えました。パルデアプロローグの際も、一般ポケモンとミラコラ及びパラドックスポケモンとの間に明らかなスペック差があり、柔軟かつ強い対面を押し付けた方が勝っていたという点で似ているのではないかと思いました。よって、開幕で大きく削り、後続でスイープする、対面構築を作る方向としました。
使用可能なポケモンたちを眺めていて、ガチグマアカツキのすがた(以下アカツキ)が強いと感じました。特性込みでノーマル、地面技の有効範囲があまりにも広く、並み以上の耐久もあることから、アカツキをよりうまくうごかしたプレーヤーがキタカミプロローグを制するのではないかと考え(実際にそうかは置いといて)、構築がスタートしました。
一般的には、トリルエースとしての起用が予想されますが、キタカミ図鑑では、ハバタクカミやパオジアンのような高速アタッカーが少ないため、全体的なSラインがさがっていて、Sに振って上から制圧するのも強いのではないかと思いつきます(S0厳選する時間がない言い訳にもなってアド)。ほぼ準速までふると、S-1準速ガブリアスまで抜くことができ、その準速ガブリアスを素で抜くことができ、どくのくさりの付加価値もある他、アシッドボムによる火力サポートもできるアカツキ/キチキギスの並びが降ってきました。しかし、準速ガブ以上を抜くには、火力を犠牲にするしかなく、かつ耐久も伸ばせないため没に。
そこで強いおいかぜ役を考えたところ、いたずらごころ搭載かつうそなきによる火力補助ができるイルミーゼが適役と判断しました。後述しますが、アンコールによってあまたの相手構築を破壊して勝ちを拾うエースになります。
今回の準備期間で仲間大会には参加できませんでしたが、Youtubeでキタカミプロローグ仲間大会の配信を見て、思ったよりもおいかぜ軸が多いことに気づきました。おいかぜの打ち合いになると、アカツキでは上を取れないので、対おいかぜにトリックルーム始動でも戦える構築を目指しました。
先ほどのアカツキの技範囲を考えていた時に、ノーマルと地面を共に半減以下にできるポケモンとしてドータクンが浮かびました。トップメタになりそうなガブリアスなどのドラゴンにも強く、行動回数が稼ぎやすいと考えて採用。
以上から、アカツキ+S操作(イルミーゼorドータクン)+2の選出方針が決まります。
+2を考えるにあたって、中速でいいので並み以上の耐久があり、タイプ補完に優れるポケモンを考えました。
アカツキに弱点を付ける水や草、しんがん込みのノーマル技を半減できる岩や鋼に強く出られ、流行るであろう雨構築にも強く、このゆびとまれでアカツキの行動回数を稼げる水オーガポンを採用。
まけんきなどの威嚇対策枠で、鋼を含む耐性が優秀でふいうちによる詰めができるドドゲザン。後述しますが、トリル下にじならし弱点保険を起動させるギミックを目にしたので、アカツキが倒された後のエースとしても役割があると考えました。
ここまでの5体のタイプ補完かつ、威嚇枠として原種ウインディを追加して6体が決定しました。
※構築名について
筆者の住むシンオウ地方では、RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO(通称:RSR)という野外ライブフェスが毎年開催されています。自身は参加したことないのですが、ハイパーボイスとアンコールの組み合わせはまさにフェスであり、もじって構築名としました。
個体紹介
ガチグマ(アカツキ)
特性:しんがん
性格:ひかえめ
持ち物:シルクのスカーフ
テラス:ノーマル
実数値:195(52)-81-141(4)-205(252+)-93(60)-90(140)
技:ハイパーボイス / ブラッドムーン / しんくうは / まもる
C:可能な限り火力が欲しいのでぶっぱ
S:おいかぜ下で最速イッカネズミ抜き(ねずみざん意識)
HBD:残りで最大耐久
本構築のエースで100%選出しました。ノーマル技を打っていた方が圧力をかけられるため、だいちのちからを抜いてしんくうはを入れています。よく出されるドドゲザンに対して5割強は入る他、ふいうちにも強いためとても役立ちました。素早さに多く努力値を割いているため、ミラーになった時にほぼ上を取っており、強気で動ける場面が多かったです。
いのちのたまとシルクのスカーフでは確定数が変わらない場面がほとんどで、耐久を損なわないために後者にしています。
テラルタイプはノーマル。ハバタクカミのフェアリーテラスとほぼ同等の使い道で、ほぼすべての試合でアカツキにテラスを切りました。
ドータクン
特性:ふゆう
性格:のんき
持ち物:オボンのみ
テラス:ほのお
実数値:174(252)-109-166(116+)-99-154(140)-41(個体値16)
技:サイコキネシス / じならし / てだすけ / トリックルーム
D:いのちのたまC252+振りシャンデラのねっぷうをダブルダメージで最大乱数以外耐え
B:残り
S:最遅ローブシン-1である、<44であればOKとし、この値
本構築のトリル要員。S個体値については中途半端ですが、最遅厳選する時間がないのと、自然遭遇した色個体がおり、素早さラインはクリアしていたため採用。構築全体でかくとうタイプが重いのでエスパー技が欲しくサイコキネシスを入れました。じならしは本来ドドゲザンのじゃくてんほけん起動用でしたが、45戦の中で一度も使えず(笑)。キタカミプロローグ環境で、ドータクンに抜群つけるポケモンは限られており、オボンこみで長く場に居座ってくれました。
ほのおテラスは主に対晴パでトリルを張るときに使用。選出率は最下位でしたが、必要な場面で活躍してくれました。
ドドゲザン
特性:まけんき
性格:ゆうかん
持ち物:じゃくてんほけん
テラス:フェアリー
実数値:207(252)-192(156+)-140-80-118(100)-52(個体値7)
技:うっぷんばらし / アイアンヘッド / ふいうち / まもる
HD:いのちのたま特化C252+振りアカツキのだいちのちからを最大乱数以外耐え
A:残り全て
S:S-1時にドータクンよりも遅くなるよう、<60であればOKとし、この値
本構築のスイーパー枠で選出率は4位。じならしとのコンボでうっぷんばらしとしていましたが、実際には思うように使えませんでした。ドドゲザンミラーで最終盤面となることが多く、けたぐりorかわらわりの方がよかったです。テラスタイプはフェアリーですが、アカツキに切ってしまうため、一度も使いませんでした。最も考察が足りなかった個体です。。。
オーガポン(いど)
特性:ちょすい
性格:わんぱく
持ち物:いどのめん
テラス:みず
実数値:187(252)-155(116)-126(84+)-72-121(36)-133(20)
技:ツタこんぼう / ウッドホーン / このゆびとまれ / ニードルガード
B:ハチマキすいすいA252+振りイダイトウの威力150おはかまいりを確定耐え
D:おもかげやどし込みでノーマルテラスいのちのたまブラッドムーンを確定耐え
S:準速80族抜き
A:残り
本構築の人柱兼アイドル枠で選出率2位。中速のため、おいかぜ、トリルいずれでも使いやすく、このゆびがあるため、すばやさに関係なく最低限の仕事ができました。他のオーガポンと比べて、テラスタルをしないことによるメリットが強く、構築内でのバランスを取りやすいところが気に入っています。
ウインディ(通常)
特性:いかく
性格:いじっぱり
持ち物:ものまねハーブ
テラス:ノーマル
実数値:197(252)-161(132+)-104(28)-108-101(4)-127(92)
技:フレアドライブ / しんそく / サイコファング / まもる
A:
A2段階upサイコファングでH252振りコノヨザルをフレンドガードこみで一発
H252イッカネズミをフレアドライブで一発
B:いかくこみでA252+振り岩ツタこんぼうを確定耐え
S:残りでなるべく多く
D:残り
本構築の補完枠で選出率は5位。コノヨザルやドドゲザンといったいかく対策枠は多くの構築で採用されると考え、威嚇が裏目にならないかつ、ジャラランガのソウルビート対策にものまねハーブとしています。当初、じゃれつくを入れていましたが、H4振りジャラランガでも低乱数一発にしかならず、コノヨザルに対してはサイコファングと確定数が変わらないため、壁構築対策を兼ねてサイコファングとしました。
実際には、サイコファングだけでは壁構築の対策としては不十分で、ウインディ自身の火力不足は否めませんでした。
イルミーゼ
特性:いたずらごころ
性格:おだやか
持ち物:メンタルハーブ
テラス:むし
実数値:172(252)-60-108(100)-94(4)-134(132+)-108(20)
技:おいかぜ / アンコール / うそなき / にほんばれ
D:いのちのたまC252+振りアカツキのハイパーボイスをダブルダメージで約89%2発耐え
S:同速意識で20振り
B:残り
本構築の真のエースで選出率は3位。テラスタルを切る予定はなかったため、テラピース節約のため変更せず(笑)。対面に合わせてSサポートか、火力サポートを選ぶことができ、安易なまもるや補助技を許さないアンコールはそれぞれ強力でした。あと一つはでんじはやあまえる等の候補もありましたが、雨構築が流行るだろうと考え、にほんばれにしました。45戦中、メンタルハーブが一度も発動しませんでした。後から考えると、イルミーゼ/バルビート構築ならこちらのS操作はドータクンを出した方が強いため、タスキの方がよかったかもしれません(逆にドータクンにはなんどかちょうはつを打たれました)。
あまりにもアカツキとの組み合わせがよく、ランクマにつれていく可能性すら考えてしまいます。
選出
基本(相手にS操作がない場合、対トリル、対雨パ)
+
oror
アカツキがより多く動けるように、Sサポートか、火力サポートをして削っていきます。対トリルでは、トリル役を先に倒すか、アンコールでテンポを取っていきます。イルミーゼのにほんばれはあまり読まれなかったため、かなり刺さっていました。
対おいかぜ、こごかぜ、晴パ
+
oror
相手が上を取ってくる構築にはトリルでカウンターしていきます。
対イッカコノヨ
基本選出と同様
うそなき+ハイパーボイスでイッカネズミを処理。その後においかぜブラッドムーンでコノヨを処理します。コノヨザルをふんどのこぶし、まもる、ビルドアップでアンコールできれば、アカツキに無力となるので、その後が動かしやすくなります。
いのちがけは忘れたころにやってくる(笑)。
対壁構築
+
机上の先発はこれで、サイコファング+ハイパーボイスとする予定でしたが、サイコファングがオーロンゲに通らないので、オーロンゲの処理に時間を要していました。
↓
結局基本選出で出し、オーロンゲは基本的に守らないので、ブラッドムーンで大きく削り、オーロンゲの隣に対してはアンコールで縛る動きを取っていきます。
対ジャラランガ軸
こちらも基本選出で対応。
うそなき+ハイパーボイスorブラッドムーンでジャラランガの隣を倒し、積んだジャラランガをアンコールで縛る。ジャラランガ軸に対する勝率は低めでした。
最後に
元々生活の時間を多くVGCに割けるわけではないので、机上のみで構築を作り、試運転もなしに本戦に臨みました。結果としてトッププレーヤーとは戦える土俵には至らなかったものの、初期の並びの選択は間違っていなかったかなと思いました。今回の学びとして、以下のようなものがあります。
・範囲技エースを軸にすること
・ポケモンの役割を明確にすること(アタッカー、S操作、サポートなど)
・アンコールの強さ
・S操作の強さ
特にアンコールは、クローズドBO1の不確定情報が多い状況において、大きな力を持つと感じました。安易なまもるを咎めるだけではなく、特定の攻撃技に縛ることで、不利盤面から安全にサイクルを回したり、交代を強要させてダメージレースに貢献する強い技です。ちょすいなどのタイプを無効化する特性とも相性が良いですね。選出も技選択もアドリブで決めてしまう自分にあっている技でした。
また、S操作があることで行動順を明確にできるのもよいと感じました。おいかぜやトリルターンを枯らすためにまもる等の消極的な行動をしたところにアンコール、範囲技が刺さります。そういう意味でも、範囲技×S操作×アンコール(もしくはあくび?)という要素は今後のプレイでも参考にできそうだと感じました。
末筆となりますが、長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。強くなることももちろんですが、VGCを通していろんな方と交流していきたいなと思っています。今後とも宜しくお願い致します!
Special Thanks:TN きたにー(@kitany_game)、FFの皆様